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特許5379586 電池短絡部除去装置及び方法 公報発行日 2013年12月25日

株式会社日本マイクロニクス
特許5379586      電池短絡部除去装置及び方法
公報発行日 2013年12月25日

【0001】
本発明は電池短絡部除去装置及び方法に関し、例えば、太陽電池における短絡部(絶縁不良部)を除去しようとしたものである。
【背景技術】
【0002】
アモルファス半導体などを用いた薄膜太陽電池を製造する際に、発電に寄与する光電変換半導体層を挟む基板側電極と裏面側電極との電極間や、2つの裏面側電極間又は各層内に短絡部が生じることがある。例えば、薄膜太陽電池では、1枚の基板上に複数の太陽電池セルを並設させて配置している。基板上に基板側電極と光電変換半導体層と裏面側電極とを積層させる工程は、複数の太陽電池セルで共通であり、その後、隣接する太陽電池セルを切り分ける溝(スクライブ溝)を形成させて複数の太陽電池セルを形成させる。この溝切り工程が適切になされず、隣接する太陽電池セル間で短絡部が生じたり、同一太陽電池セルの基板側電極と裏面側電極との間で短絡部が生じたりすることがある。また例えば、製造工程中に、光電変換半導体層にピンホールが形成されてしまったり、又は、不純物が混入されてしまうことにより、隣接する太陽電池セル間や、同一太陽電池セルの基板側電極と裏面側電極との間で短絡部が生じたりすることがある。
【0003】
そのため、電極間に逆バイアス電圧を印加することにより短絡部に電流を集中させ、発生したジュール熱によって短絡部の金属を飛散させたり、金属を酸化させて絶縁体とすることにより、短絡部を除去することが提案されている(特許文献1参照)。この文献では、例えば、1個の太陽電池セルが数mm×百数十cmの矩形形状を有するので、1つの電極に複数のプローブピンを接触させる、あるいは1つの電極に線状又は面状の接触部材を接触させて、逆バイアス電圧を印加し、より短絡部に近い位置と短絡部との間へ電流を流すようにしていた。
【0004】
ここで、逆バイアス電圧は高ければ良いというものではなく、最初から比較的高い逆バイアス電圧を印加した場合には、却って短絡部が除去しにくい状態になることがある。このような点に鑑み、例えば特許文献2では、電極間に対して段階的に大きくなっていく逆バイアス電圧を印加しながらリーク電流を測定し、リーク電流が許容値以下になった時点で逆バイアス電圧の印加を終了することが提案されている。
【0006】
ところで、一般的には、逆バイアス電圧を印加するのは、隣接する太陽電池セルの2つの裏面側電極である。そのため、逆バイアス電圧の印加は、ともすると、スクライブ溝に面した正常な太陽電池セルの沿面間に高い電界を生じさせ、これによる電圧破壊や沿面放電などにより、太陽電池セルが変質、劣化する恐れがある。そのため、特許文献2に記載の技術のように、電極間に対して時間経過と共に大きくなっていく逆バイアス電圧を印加することは、太陽電池セルが変質、劣化することを防止できて好ましい。
【0007】
しかしながら、特許文献2のような従来技術においては、所定条件(リーク電流が許容値以下)を満足するまで逆バイアス電圧を初期値から徐々に大きくしていくため、短絡部(絶縁不良部)を除去するのにかかる平均時間が多大となっていた。
【0008】
また、所定条件(リーク電流が許容値以下)を満足するまで、逆バイアス電圧を徐々に大きくしていくため、逆バイアス電圧が取り得るレンジが広く、それに応じられる電源装置が必要であった。
【0009】
リチウム電池などの蓄電電池も、蓄電量を大きくするため、太陽電池と同様に、電池セルを並設させたものがあるが、このような構成のリチウム電池では、上述した太陽電池での課題と同様な課題を生じる。
【0010】
そのため、短絡部の除去を迅速に行うことができるのみならず、上述した逆バイアス電圧のレンジ等の電源に対する要求仕様が緩い電池短絡部除去装置及び方法が望まれている。

以下は、

株式会社日本マイクロニクスの特許登録一覧 2013年


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